今夜やるのは、この3つだけ
- 1
死亡診断書を
受け取る 医師から受け取ります。警察が関わった場合は死体検案書。すべての手続きの出発点です。
- 2
安置する
場所を 決める 自宅か、葬儀社の安置施設か。迷ったら葬儀社の施設に頼めます。
- 3
搬送を
葬儀社に 頼む 深夜でも連絡できます。葬儀の内容は、この時点で決めなくてかまいません。
- 葬儀の形と呼ぶ人
- お墓や納骨
- 遠い親戚・友人への連絡
- 相続や財産
葬儀社の担当者に「家族と相談して、明日返事をします」と伝えても、まったく問題ありません。
亡くなった場所で変わる、最初の連絡
-
病院
医師が死亡診断書を書く霊安室には長く置けないため、数時間のうちに搬送を頼みます。病院の紹介でなく、自分で選んだ葬儀社でかまいません。
-
介護施設
嘱託医などが死亡を確認施設ごとに引き取りまでの時間の決まりがあるため、施設に確かめてから搬送を頼みます。
-
自宅(訪問診療あり)
まず診ていた医師・訪問看護へ診ていた病気で亡くなったと判断できれば、死亡診断書が書かれます。
-
自宅(予期しない・医師がいない)
警察が確認し、死体検案書に流れは「警察から連絡があったとき」と同じです。
-
外出先・事故
警察からご家族に連絡「警察から連絡があったとき」をご覧ください。
息があるかもしれない、判断がつかないときは、迷わず119番へ。
救急隊が状況を見て、必要に応じて警察に連絡します。
死亡診断書と死体検案書
亡くなったことを証明する書類は2種類あります。役所での扱いはどちらも同じで、死亡届と1枚の用紙になっています(左半分が死亡届、右半分が死亡診断書・死体検案書)。
死亡診断書
- 出される場合
- 診ていた病気などで亡くなり、医師が死亡を確認したとき
- 書く人
- 診ていた医師
死体検案書
- 出される場合
- 予期しない亡くなり方、事故、原因がわからないときなど、警察が関わり医師が検案したとき
- 書く人
- 検案した医師(東京23区では東京都監察医務院の監察医)
- 費用
- 東京23区では、東京都監察医務院の検案・解剖に費用はかかりません。死体検案書の交付には手数料がかかります。ほかの地域では、検案や書類の作成に費用がかかる場合があります
役所に出す前に、コピーを数枚。原本は死亡届と一緒に提出し、手元に戻りません。生命保険や年金で写しを求められることがあるので、必要な枚数を手続き先に確かめてコピーしておきます。葬儀社に頼めば用意してもらえることがほとんどです。
この節の根拠(確認日 2026年10月21日)
- 東京都保健医療局「監察医制度」関係資料(特別区では東京都監察医務院が検案・解剖を行う。多摩・島しょは登録検案医と大学)
警察から連絡があったとき
自宅で亡くなっていた、外出先で倒れた、事故だった。そうしたとき、ご家族には警察から電話が入ります。動揺するのは当然です。まず、電話で次のことを聞いて書き留めてください。
電話で聞いておくこと
引き取りまでの流れ
- Step 1
警察署で、
本人の 確認と 聞き取り ご本人であることの確認や、生前の様子の聞き取りに応じます。本人確認書類は必ず。そのほかの持ち物は警察署によって違うことがあるので、警察署からの案内にご確認ください。
- Step 2
検視・検案
警察が状況を調べ、医師が死因を確かめます。東京23区では東京都監察医務院が検案を行い、必要に応じて解剖が行われます。
- Step 3
葬儀社を
決め、 警察に 伝える 引き取りは葬儀社が搬送車で行います。警察署名と担当者を葬儀社に伝えれば、警察との調整は葬儀社が引き受けます。
- Step 4
お引き取りと、
死体検案書の 受け取り 引き取りの連絡が来たら葬儀社がお迎えに行き、安置場所へお連れします。
引き取りまでの時間は、亡くなった状況や解剖の有無で大きく変わります。その日のうちに引き取れることもあれば、数日かかることもあります。
警察から電話を受けた方の多くは、「何をすればいいのか、誰に聞けばいいのかもわからなかった」とおっしゃいます。私は25年、警察署へのお迎えを続けてきました。どんな事情があっても、ご本人を丁寧に送ることはできます。ひとりで抱えずに、まず電話をください。
監修
搬送と安置
葬儀社が専用の車で、亡くなった場所から安置する場所までお連れします。搬送だけを先に頼み、葬儀の内容はあとで決めることもできます。
安置する場所を選ぶ
火葬までの日数
- 亡くなる死亡診断書を受け取る
- 24時間後から法律で、これより前は火葬できない
- 火葬場を予約空き状況で日が決まる
- 火葬東京では数日待つことが多いです
安置の日数が延びるほど、安置料がかかります。見積もりでは、1日あたりの安置料と、何日分が含まれているかを確かめてください。友引の翌日や年末年始は混み合います。
この節の根拠(確認日 2026年10月21日)
- 墓地、埋葬等に関する法律 第3条(死亡後24時間を経過した後でなければ火葬できない)
死亡届と火葬許可
死亡届を出すと、火葬の許可が出ます。許可がないと火葬はできません。多くの場合、葬儀社が提出を代行します。
火葬が終わると、火葬済みの証明が記された許可証が返されます。納骨のときに必要な大切な書類なので、骨壺と一緒に保管してください(第5章 お墓・納骨・供養)。
この節の根拠(確認日 2026年10月21日)
- 江戸川区「死亡届」(届出期間7日以内・国外3か月以内、届出地、押印は任意、本人確認書類、死亡届と同時に火葬許可を申請)
https://www.city.edogawa.tokyo.jp/e031/kurashi/todoke/koseki/shibou.html - 戸籍法 第86条・第87条(届出期間、届出義務者と届出資格者)
- 北九州市「死亡届」(後見人・保佐人・補助人・任意後見人等も届け出られる。任意後見受任者が届け出る場合の必要書類の記載あり)
https://www.city.kitakyushu.lg.jp/shimin/14900034.html
知らせる人の順番
- 同居の家族、きょうだい、成人した子ども今夜のうちに
- 葬儀に来てほしい親族、親しかった人日程が決まってからでかまいません
- 勤め先(在職中の場合)、お付き合いのあるお寺お寺には、日程を決める前に相談します
最初の連絡は「亡くなったこと」と「いまの状況」だけで十分です。家族だけで送る場合でも、知らせること自体は省かないほうが、あとのすれ違いを防げます。参列をお願いするかどうかは、別に決めてかまいません。
当面のお金と、口座のこと
「口座が止まる前に引き出しておく」という話を耳にするかもしれません。けれど、相続人が複数いるときに一人が黙って引き出すと、あとの話し合いがこじれる原因になります。葬儀費用などにあてるため、遺産を分ける前でも相続人の一人が払い戻しを受けられる制度があります。
1つの金融機関から受け取れる額
例:預金600万円、相続人が子ども2人(法定相続分は2分の1ずつ)なら、600万円×1/3×1/2=100万円まで。必要な書類は金融機関に確かめてください。
借金が多いかもしれないときは、お金に手をつける前に相続を放棄する可能性があるときは、故人のお金を使ったり財産を処分したりすると、放棄できなくなることがあります。第7章で確かめてから動いてください。
この節の根拠(確認日 2026年10月21日)
- 民法 第909条の2(遺産分割前の預貯金債権の行使)と、同条の法務省令(1つの金融機関あたり150万円)
死産・海外で亡くなった場合
死産のとき
妊娠12週以降の死産は、死産の日から7日以内に死産届を出します。届け出るのは父母、同居者、立ち会った医師や助産師など。届け出のときに火葬許可も申請します。
小さな棺や、ご家族だけの静かなお別れも用意できます。どうか、ひとりで抱えないでください。
海外で亡くなったとき
死亡届は知った日から3か月以内に、在外公館(大使館・総領事館)か日本の市区町村役場へ。現地の死亡証明書と日本語訳が必要です。
ご遺体を日本へ運ぶか、現地で火葬してご遺骨を持ち帰るかで、手続きと費用が大きく変わります。早めにご相談ください。
日本で外国籍の方が亡くなった場合は、第9章 外国籍の方が亡くなった場合にまとめています。
この節の根拠(確認日 2026年10月21日)
- 杉並区「死産届」(死産の日から7日以内、届出人、届出時に火葬許可を申請)
https://www.city.suginami.tokyo.jp/s018/10728.html - 江戸川区「死亡届」(国外で死亡した場合は3か月以内)
ひとり暮らしの方が亡くなったとき
- 親族に連絡警察や役所が戸籍をたどり、きょうだいや甥・姪へ
- 引き取りの判断長く会っていない親族に知らせが届くことも
- 引き取る人がいない亡くなった場所の市区町村が火葬
- 希望は届かない本人の希望は誰にも伝わらないまま
国の推計では、引き取り手のない遺体は2023年度に約4万2千人にのぼります。
家族がいないことは、悪いことではありません。ただ、自分が亡くなったあと、誰が気づき、誰が送り、誰が支払うのか。それを生きているうちに決めておけば、ひとりでも望んだとおりに送られます。死に方は選べなくても、送られ方は選べます。
この節の根拠(確認日 2026年10月21日)
- 墓地、埋葬等に関する法律 第9条(埋葬・火葬を行う者がいないときは、死亡地の市町村長が行う)
- 厚生労働省の推計(2025年3月公表、時事通信の報道による)
印刷できるチェックリスト
チェックは画面上で付けられます(保存はされません)。紙で使う場合は印刷してください。
今夜
翌日〜数日
7日以内
よくある質問
Q病院から早めにご遺体を移すよう言われました。葬儀社がまだ決まっていません。
病院から紹介された葬儀社に頼まなければならない決まりはありません。ご自分で選んだ葬儀社に連絡してかまいません。急いで決めきれないときは、搬送と安置だけを先に頼み、葬儀の内容は落ち着いてから決めることもできます。
Q死亡診断書のコピーは何枚とればいいですか?
死亡診断書(死体検案書)の原本は死亡届と一緒に役所に提出し、手元には戻りません。生命保険や年金などの手続きで写しを求められることがあるため、提出する前に必要な枚数を手続き先に確かめ、数枚コピーしておくと安心です。
Q自宅で亡くなると、警察が来るのですか?
訪問診療などで診ていた医師が、診ていた病気によって亡くなったと判断できれば、医師が死亡診断書を書きます。予期しない亡くなり方だった場合や、診ていた医師がいない場合は、警察が状況を確認し、医師の検案を経て死体検案書が出されます。息があるかもしれない、判断がつかないときは、迷わず119番に連絡してください。
Q警察から連絡があってから、ご遺体を引き取るまでどのくらいかかりますか?
亡くなった状況や、解剖が必要かどうかによって大きく変わります。その日のうちに引き取れることもあれば、数日かかることもあります。警察から引き取りの連絡があってから葬儀社が迎えに行くため、先に葬儀社を決めて警察署名と担当者を伝えておくと、流れが早くなります。
Q死亡届に印鑑は必要ですか?
2021年9月1日から、死亡届への押印は任意になりました。印鑑がなくても届け出られます。届け出る人の本人確認書類を持っていきます。
次にすること
搬送と安置が済んだら、次はお別れの形を決めます。直葬・一日葬・家族葬の違いと、見積もりで確かめることは第2章にまとめています。