受け取れるお金は、申請が必要なものが多い
日本の多くの給付は、申請してはじめて受け取れる仕組みです。役所が「これがもらえますよ」と家まで知らせに来ることは、ほとんどありません。
そして、それぞれに期限があります。2年、5年といった期限を過ぎると、受け取れたはずのお金が受け取れなくなります。
期限がある給付もあります葬祭費や共済金、年金には、申請の期限があるものがあります。落ち着いたら、対象になるものを一覧で一つずつ確かめましょう。
受け取れるかもしれないお金の一覧
| お金の名前 | どんなとき | 額の目安 | 期限 |
|---|---|---|---|
| 葬祭費 | 国民健康保険・後期高齢者医療の方が亡くなった | 5万〜7万円(区によって異なります) | 葬儀の翌日から2年 |
| 埋葬料 | 会社員などの健康保険の方が亡くなった | 5万円 | 2年 |
| 区民葬儀の火葬費用の助成 | 区民葬儀券を使い、指定の火葬場で火葬した(23区) | 大人27,000円 | 火葬の翌日から2年 |
| 未支給年金 | 年金を受け取っていた方が亡くなった | まだ受け取っていない分 | 5年 |
| 遺族基礎年金 | 18歳までの子がいる配偶者、または子 | 年847,300円(1956年4月1日以前生まれの方は844,900円)+子の加算(2026年度) | 5年 |
| 遺族厚生年金 | 厚生年金に入っていた方などが亡くなった | 故人の老齢厚生年金(報酬比例部分)の4分の3 | 5年 |
| 寡婦年金/死亡一時金 | 国民年金の保険料を納めていた方が、年金を受けずに亡くなった | 死亡一時金は12万〜32万円 | 死亡一時金は死亡の翌日から2年 |
| 高額療養費 | 亡くなる前の医療費が上限額を超えていた | 超えた分 | 2年 |
| 共済・生命保険 | 都民共済などや、生命保険の契約があった | 契約による | 生命保険金は原則3年(保険法)。共済金は制度・契約によって違うので、加入先へ早めに確認 |
| 勤め先の弔慰金・死亡退職金 | 在職中に亡くなった | 勤め先の規定による | 勤め先に確認 |
この節の根拠(確認日 2026年10月23日)
- 保険法 第95条(保険給付を請求する権利は、行使できる時から3年で時効)
https://laws.e-gov.go.jp/law/420AC0000000056
葬祭費・埋葬料
故人が入っていた健康保険から、葬儀を行った人などに支給されます。入っていた保険で、名前と申請先が変わります。
葬祭費
- 対象
- 国民健康保険・後期高齢者医療の方が亡くなったとき、葬儀を行った人(喪主)に
- 額
- 23区では5万〜7万円(区によって異なります)
- 申請先
- 故人が住んでいた区役所
- 必要なもの
- 申請書、喪主の名前がわかる葬儀の領収書(区によっては会葬礼状でも可)、喪主の本人確認書類、振込先
埋葬料・埋葬費
- 対象
- 会社員などの健康保険の方が亡くなったとき、生計を維持されていた人(埋葬料)。いない場合は、埋葬を行った人(埋葬費)
- 額
- 埋葬料は5万円。埋葬費は5万円の範囲で実際にかかった費用
- 申請先
- 故人の勤め先、または加入していた協会けんぽ・健康保険組合・共済組合
直葬(火葬だけ)でも申請できるか。杉並区(後期高齢者医療)は、「葬儀代」または「火葬代」と書かれた領収書で申請できると案内しています。ただ、扱いは区によって違うことがあります。申請前に、故人が住んでいた区へ確かめてください。
この節の根拠(確認日 2026年10月22日)
- 中央区 よくある質問「国民健康保険の葬祭費」(7万円、葬儀を行った方、翌日から2年)
https://www.city.chuo.lg.jp/a0024/faq/kurashi/kokuho/0032.html - 練馬区「葬祭費」(国民健康保険7万円、葬儀を行った日の翌日から2年)
https://www.city.nerima.tokyo.jp/kurashi/nenkinhoken/kokuminkenkohoken/hoken_kyufu/sosaihi.html - 目黒区「国民健康保険葬祭費」(7万円、葬祭日の翌日から2年)
https://www.city.meguro.tokyo.jp/shinseisho/kokuho/sosaihi.html - 文京区「後期高齢者医療 葬祭費」(広域連合5万円+区2万円)
https://www.city.bunkyo.lg.jp/b021/p000519.html - 世田谷区「後期高齢者医療の葬祭費」(広域連合5万円+区の給付金2万円、翌日から2年で時効)
https://www.city.setagaya.lg.jp/02060/344.html - 中野区「後期高齢者医療制度葬祭費の支給」(後期高齢者医療は5万円。区の上乗せがない区もあるため、23区は5万〜7万円。確認日 2026年10月23日)
https://www.city.tokyo-nakano.lg.jp/kurashi/koukikourei/sosaihi.html - 杉並区「亡くなったとき(葬祭費)(後期高齢者医療制度)」(7万円、「葬儀代」または「火葬代」の領収書)
https://www.city.suginami.tokyo.jp/s035/12562.html - 全国健康保険協会(協会けんぽ)「よくあるご質問」(埋葬料は死亡した日の翌日から、埋葬費は埋葬を行った日の翌日から2年で時効)
https://www.kyoukaikenpo.or.jp/faq/benefit/001/index.html
未支給年金と遺族年金
年金は後払いなので、亡くなった月の分まで「まだ受け取っていない年金」が残っていることがほとんどです。これを未支給年金といいます。遺族年金は、それとは別に、条件にあう遺族が受け取る年金です。
未支給年金を請求できる人(この順番)
- 配偶者
- 子
- 父母
- 孫
- 祖父母
- 兄弟姉妹
- 3親等内の親族甥・姪など
いずれも、亡くなった方と生計を同じくしていた人に限られます。請求できるのは、年金の支払日の翌月の初日から5年まで。
遺族基礎年金(2026年4月からの額)
基本額847,300円+子の加算243,800円(基本額は、1956年4月1日以前生まれの方は844,900円)
3人目からは1人につき81,300円の加算
子は18歳になった年度の末まで(障害がある場合は20歳未満)。配偶者の年収は850万円未満
遺族厚生年金と、2028年4月からの見直し
厚生年金に入っていた方などが亡くなったとき、配偶者・子・父母などが受け取れます。額は、故人の老齢厚生年金(報酬比例部分)の4分の3が基本です。
2028年4月から(予定)
- 変わること
- 18歳までの子がいない配偶者が受け取る遺族厚生年金は、原則5年間の有期給付に。男性も、60歳未満なら同じ扱いに
- そのかわり
- 5年間は今のおよそ1.3倍になる加算。障害がある方や収入が少ない方は、5年後も続けて受け取れる
変わらない人
- 対象外
- すでに遺族年金を受け取っている方/60歳以上で受け取り始める方/18歳までの子を育てている方/2028年度末に40歳以上の女性
- 子がいる場合
- 遺族基礎年金の子の加算が年約23.5万円から約28万円に増える
寡婦年金と死亡一時金(どちらか一方)
国民年金の保険料を納めていた方が、年金を受け取らずに亡くなった場合の給付です。寡婦年金は、夫を亡くした妻が60歳から65歳まで受け取るもの(夫の保険料を納めた期間と免除された期間が合わせて10年以上、婚姻期間が10年以上など)。死亡一時金は、保険料を36か月以上納めていた方の遺族に、12万円から32万円。両方受けられる場合は、どちらか一方を選びます。
止める届けと、受け取る請求は別年金を止める「受給権者死亡届」と、受け取る「未支給年金」「遺族年金」の請求は、別の書類です。年金事務所で一度に相談すると漏れがありません(第3章)。
この節の根拠(確認日 2026年10月22日)
- 板橋区「年金受給者が亡くなったとき」(未支給年金の請求者の範囲と順位、5年で請求できなくなる)
https://www.city.itabashi.tokyo.jp/kenko/kokuho/nenkin/jukyu/1003193.html - 日本年金機構「遺族基礎年金(受給要件・対象者・年金額)」(令和8年4月分から。昭和31年4月2日以後生まれ847,300円、昭和31年4月1日以前生まれ844,900円。確認日 2026年10月23日)
https://www.nenkin.go.jp/service/jukyu/seido/izokunenkin/jukyu-yoken/20150401-04.html - 文京区「遺族基礎年金」(令和8年4月からの年金額、子の加算、受け取れる遺族)
https://www.city.bunkyo.lg.jp/tetsuzuki/nenkin/jyukyuu/izokukisonenkin.html - 厚生労働省「年金制度改正(遺族年金の見直し)」(2028年4月施行予定、有期給付、加算、対象外の方)
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000147284_00020.html - 大田区「死亡一時金」(36月以上、12万〜32万円、死亡日の翌日から2年、寡婦年金とはどちらか一方)
https://www.city.ota.tokyo.jp/seikatsu/kokunen/nenkin/kyufu/shibouitijikin.html
共済・保険・勤め先のお金
都民共済の葬儀への使い方や、請求の手伝いは、TOKYO直葬サービスでご案内しています。身寄りのない方の共済金を、葬儀を行った第三者が受け取れるかどうかは、共済ごとの規約によります。規約で確かめてからご案内します。
生活保護の葬祭扶助
葬儀を行う人が生活に困っていて費用を出せないとき、生活保護の「葬祭扶助」で、火葬までの必要な費用がまかなわれることがあります。身寄りのない方が亡くなり、家主や民生委員などが葬祭を行う場合に使えることもあります。
令和8年4月からの国の基準(1級地・2級地)。火葬料・搬送料などの加算あり
担当のケースワーカー、ケアマネジャー、地域包括支援センターからの紹介でも
葬儀を終えてからの申請では認められないことが多いので、葬儀社と契約する前にご相談ください
葬祭扶助の葬儀でも、手を合わせる時間はつくれます。私たちは、どんな事情でも、ご本人を「処理」ではなく、祈りのなかで送ることを大切にしています。
この節の根拠(確認日 2026年10月22日)
- 豊島区の資料(葬祭扶助の基準額 大人219,000円以内・小人175,000円以内と加算。令和7年度までの額)
https://www.city.toshima.lg.jp/documents/53991/20250910092642.pdf 令和8年4月1日からは、厚生労働省の保護基準の改正で大人222,000円以内
https://www.mhlw.go.jp/hourei/doc/hourei/H260409Q0030.pdf
準確定申告(故人の最後の確定申告)
亡くなった年の所得などから、故人について所得税の申告が必要なときは、相続人などが代わりに申告します(準確定申告)。事業や不動産の収入があった方、年金や給与以外の収入があった方などは、申告が必要か確かめてください。期限は、相続の開始を知った日の翌日から4か月以内です。
相続人が2人以上いるときは、全員の氏名・住所・続柄などを書いた付表を添えて出します。出す先は、故人が亡くなったときの住所を受け持つ税務署です(相続人の住所の税務署ではありません)。
医療費控除などで、税金が戻ってくることもあります。迷ったら、税理士や税務署に相談してください。
住民税と固定資産税
住民税は、その年の1月1日に住んでいた人にかかります。1月2日以降に亡くなった場合、その年度の住民税は相続人が引き継いで納めます。納税通知を受け取る代表者を、区役所に「相続人代表者指定届」で届け出ます。
固定資産税も、1月1日の持ち主にかかります。23区の土地・建物は都税事務所の担当です。相続登記が済んでいないときは、自分が現所有者(相続人など)であることを知った日から3か月以内に、土地・建物がある区の都税事務所へ「現所有者申告書」を出します(登記が済んでいれば原則いりません)(申告で代表者を決め、納税通知はその人に届きます)。
相続を放棄した人は、故人の住民税や固定資産税を引き継ぎません。放棄を考えているときは、払う前に第7章を確かめてください。
この節の根拠(確認日 2026年10月23日)
- 国税庁タックスアンサー No.2022「確定申告を要する人が死亡したとき(準確定申告)」(相続の開始があったことを知った日の翌日から4か月以内、付表を添付、死亡当時の納税地の税務署長に提出)
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2022.htm - 渋谷区「納税義務者が死亡したとき」(特別区民税・都民税、1月2日以降に亡くなった場合は相続人が納税義務を承継、相続人代表者指定届)
https://www.city.shibuya.tokyo.jp/kurashi/juminzei/todokede/shibou_todoke.html - 成田市「納税義務者が亡くなったとき」(地方税法第9条・第9条の2による納税義務の承継と相続人代表者の届出)
https://www.city.narita.chiba.jp/kurashi/page0112_00068.html - 東京都主税局「相続があったとき」(23区内の固定資産税・都市計画税、3か月以内に登記できないときは都税事務所へ現所有者申告書)
https://www.tax.metro.tokyo.lg.jp/scene/inheritance
申請の手伝いを頼むなら
よくある質問
Q葬祭費はいくらもらえますか?
国民健康保険と後期高齢者医療の葬祭費は、区市町村によって額が違います。23区では5万〜7万円(区によって異なります)です。故人が住んでいた区に確かめてください。
Q埋葬料と葬祭費は何が違いますか?
故人が入っていた健康保険で分かれます。会社員などの健康保険(協会けんぽ・健康保険組合・共済組合)は埋葬料、国民健康保険と後期高齢者医療は葬祭費です。埋葬料は5万円で、申請先は故人の勤め先や加入していた健康保険です。
Q直葬(火葬だけ)でも葬祭費はもらえますか?
葬祭費は葬祭を行った人に支給されます。火葬代の領収書で申請できると案内している区もありますが、扱いは区によって違うことがあります。申請する前に、故人が住んでいた区へ確かめてください。
Q未支給年金は誰が請求できますか?
亡くなった方と生計を同じくしていた遺族が、配偶者、子、父母、孫、祖父母、兄弟姉妹、それ以外の3親等以内の親族の順に請求できます。年金の支払日の翌月の初日から5年を過ぎると請求できなくなります。
Q遺族年金は2028年からどう変わりますか?
2028年4月から、子のいない配偶者が受け取る遺族厚生年金が、原則5年間の有期給付になる予定です。そのかわり、5年間は今より多い額になる加算があります。すでに受け取っている方、60歳以上で受け取り始める方、18歳までの子を育てている方などは対象外です。個別の判断は年金事務所に確認してください。